ことばにふれること。
久しぶりに見たいドラマができた。
私はテレビを見ない生活なので、母からの情報で、朗読がテーマだというのだ。
とても気になってみることにした。
1回目は地震の速報で中断されてしまったとのこと、私は2夜目で初回を見ることができた。
主人公の中には、ぽっかりと穴が空いている。
私の中にも空っぽの感覚が前からあり、そこを埋めようにも、埋まることがない。
主人公を知れば知るほど、私に似ている気がしてくる。
彼は久しぶりにぽっかりが満たされる感覚になる。
それが、きょうこさんの朗読の声だった。
内容に触れるのはここまでにして、
最近の私のテーマが、文章を声に出して読む。
自分の声が一番自分を癒す。
そしてそれは
美しいことばや、素敵なことばほど良い。
まずは
最近本を出版された窪田さんの〔汀の時〕
雨の歌から始まる短歌の本
雰囲気のある深い感慨のある美しいことばたち。
最後の透き通っていく流れが好きだ。
読み終えた後、心は波のない湖畔のように静けさに包まれた。
ある時、職場でお熱のある子が布団に眠れずに動き回るので、本を読み聞かせようとなぜとなく思った。
3歳の子はじっとできなかったが、本に少し興味を持ってくれた。
まずはレオレオニのカメレオンの本。
たくさんの色のある本で、次々にカメレオンが色を変える。
しかしその子はどの色も〔あお〕と呼ぶ。
あおが好きなのだと、今度はあおちゃんときいろちゃんを見せる。小さいあおちゃんは自分だといい、大きなあおちゃんはママだという。
まだ、眠る気配はない。
今度は、真っ青な表紙の〔Shh!〕を選んだ。
ゆっくりと読む。
ゆっくりとページをめくる。
彼女も気に入ったようでうつ伏せになり、斜めに見ている。
最後までいって、「もういちど」というので、またはじめから読み始めた。
しばらくすると、まばたきがゆっくりになりいつの間にか寝むった。
子どもの寝顔
ことばに包まれる感覚
この満たされた心はなんだろう。
一瞬の狭間の多幸感。
一息ついてまた、仕事の現実に戻る。
新しい感覚に出逢った瞬間だった。
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