想いを馳せるが心はここに

6年前。大阪に越して暫くの間、
わたしは京都の広隆寺に通った。
土門拳の写真で見た、弥勒菩薩半跏思惟像に会うためだった。
毎月11日、数カ月続けた。
関西は遠かった、そしてその時のわたしは孤独だったのだ。

霊宝殿の暗がりは、胎内にいるかのように静かで安堵した。
たくさんの恐れに押しつぶされるのを救ってくれた。
仕事が決まり、友人ができて、この日が特別ではなくなった。
忘れることができないのは変わらない。
日常が取り戻されていった。

暫く伺っていなかったが、今年はなぜか特別な気がして、お礼参りに伺った。

早朝に出発して爽やかな澄んだ空気の中
境内をゆっくりと向かう。

鳥の声 参る堂上の床のきしみ。
微かな音が耳奥をくすぐる。

霊宝殿の暗がりに入る。
全体を見渡したあと、弥勒菩薩半跏思惟像の前にて、はじめておりんを鳴らした。

堂内に鳴り響く音。
その倍音の心地よさを味わう。
暫くその場に、身を浸す。

美しいそのほほえみは
安心を与えてくれる。

そして霊宝殿から世界に帰る時。

外へ出た瞬間に明るい庭に目がくらむ。

胎内から生まれでたようなといったら
大袈裟かもしれないが。
世界はまぶしい。


そして
いつもの場所に向かう。

いつも音でお世話になっている
pastelrecords寺田さんの出張販売を
いつも珈琲でお世話になっている
井尻珈琲焙煎所で。

ぼんやりとした
心地よい暗さの中で
美しい光をみながら
丁寧な珈琲をいただく。

そして心揺さぶるような音楽に身を浸す。

久しぶりにゆっくりと取れる良い音時間。

寺田さんの背中を見ながら
goldmundで泣きそうになる。
本日の収穫は
Lisa Nordström〔7 state of patssion〕
棚の上で気になって仕方なくて
視聴をお願いした。

Christph berg が参加していて驚く。
好きなものを辿ると繋がっているだと再確認する。
朝陽を見て始まり
夕陽を見て終わる。
その幸せなことに感謝する。

そして最後に地元の大切な場所に向かう。
いつも季節ごとにスープが変わる。
今日もスープセットを頼んだ。
冬人参のポタージュ。

わたしがダイドコ帖に伺って、初めに食べたスープだ。
食べて心が温まり、泣きそうになったのを思い出した。この季節だったのだと。

記憶の断片は
ふとした時に
顔を出す。


先週ダイドコさんたちは福島を旅してきた。

出身のわたしよりもたくさんのオススメを抱えて帰ってこられた。

良いところがたくさん増えたなと思う。
良いところをたくさん見れてなかったと思う。

わたしがお勧めしたカフェに行ってくれた
そこにあった本が気に入ったという。

蕪木 祐介さんの
〔チョコレートの手引〕

先日東京で伺った
珈琲とチョコレート 蕪木
のオーナーさん。

同郷だと話をして、勝手に応援させてもらいたい人のひとりだ。

彼はいまを生きているなと思う。


そういう人に出会えることが多くなった。

わたしも
いまを生きたいと思う。


外に出る。
明日満月だから、ほぼまん丸お月さん。

少し南をみると、
青白く瞬く星がみえた〔昴〕だった。
綺麗すぎて何分か静止してみてしまう綺麗さ。

美しいものに立ち止まる
今感じることに素直になる。
それでいい。

breath works _ 「 呼吸」

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