ピアノの中は美しくて。
子どもの頃、家にあったアップライトピアノは、上から蓋を開けて覗くくらいしかできなかった。
調律師が来訪して調律している間、後ろからずっと眺めていた。とても美しく触れがたいピアノの中。
昨年ピアノの調律のWSに参加した。音のうねりを聴き、調律のハンマーに触れ、たどたどしく触れた。とても懐かしかった。
そして一昨日
宮下奈都さんの〔羊と鋼の森〕を読み終えた。調律師のお話。
夜の森の音。海鳴り。
耳をすませば、様々な音が自分の周りに溢れている。
そしてピアノにまた触れたくなる。
ピアノの練習は嫌いだったが、ピアノに触れるのは好きだった。
自分が触れた鍵盤が、中の鋼を振動させて音が派生する。その振動が自分の感情にも影響を起こすことを想像した。
わたしが住む団地の5階には、毎朝雀が遊ぶ囀りや烏の太い鳴き声や、飛行機やヘリコプターの音など、様々な音が降ってくる。
音に対してニュートラルな感覚を知ってから、嫌な音が減った。
私たちも振動している。
同じ振動のモノや人に出逢うと共鳴したり、違う振動に出逢えば、何かに気づき。
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